パラリンピック
人間の体はどこかが障害されると、そこを障害されていない所で補おうとする。
とりわけその傾向が強いのが脳です。
パラリンピック出場選手の脳と、健常者の脳の活動を比べると、膝関節より下が義足のスプリンターの膝を曲げようとしたときの脳活動は、健常者だったら膝を動かす脳地図は、決まった場所のみの興奮だったが、パラリンピックの選手は、本来の場所だけでなく、かなり広範囲の脳を使っていることが判明した。
義足による走りは、より複雑な運動を必要とするが、脳がその領域を増して補っている。
脊髄損傷のウェイトリフティングのパラリンピック選手は、健常な選手の世界記録を上回っている。その脳活動を見ると、健常者よりも少ない領域しか、使ってないと判明した。
筋肉も効率よく力を出していて、安定していることが判明した。
その結果から、体の一部に障害を負うという事は、ネガティブなイメージがあるが、それを補うために、特殊な能力を手に入れた人というポジティブな事と分かった。
パラリンピックの選手達も、自信につながる事実だと微笑んでいました。
人間は障害を負ってしまったということが、全てその人を物語るのではなく、その人の強みに変えたすごい人という事実が、研究によって明らかにされた。
2021・3・2夜のNHK放送より
東京2020パラリンピック 2021.8.25~9.5
人それぞれ考え方や感じ方は色々あると思いますが、脳梗塞の後遺症によって障害を負い、それを努力や工夫で乗り越える大変さを体験し、パラリンピックに参加している全ての選手が、超人と私は感じます。まるで、その程度の障害位たいしたことはない。もっと出来るさと、𠮟咤激励されているようで、力が湧いてきました。
本人の意志の強さや協力者、経済的なことなど、エネルギーは相当掛かりますが、選手達の競技に対する姿勢が感動を与えてくれて、パラリンピックそのものが価値あると思います。
先天性から事故や病気が原因で障害を負って、その種類や程度によってクラス分けされ、競技によってルールを考慮され、なるべく公平に競い合えるように、配慮されていることに驚かされました。
事故や災害、病気など身に降りかかってくることは、自分では選べない。しかし、どう生きるかは、自分で選べるはずです。
麻痺した手が動いた リハビリと脳科学
脳卒中によって脳の一部が壊れたため、麻痺が起こってしまう。半年を過ぎると回復しないとされていた。
慶応義塾大学理工学部生命情報学科准教授・牛場潤一氏の研究によって、麻痺患者の脳波から、脳の損傷していない部分が、信号伝達の迂回路を作ったという活動を検出したタイミングで、麻痺手に装着したロボットを駆動させる。
その訓練を繰り返すうちに、脳と麻痺部位をつなぐ神経回路が、再構築を促します。
この神経回路の再構築により、患者はロボットを外した状態でも、自分の意志で麻痺部位も、再び動かすことが可能になります。
後遺症が中等度から重度の患者38人中の7割に効果があった。3割の効果のなかった患者に対しても、なぜそうだったのか研究していくそうです。
患者の後藤さんの様子も、ビデオで紹介されていましたが、楽しそうに電話の受話器を麻痺していた左手で持ち仕事をしていました。
今まで医学界では、固定された障害へのアプローチの手段がなかったことに、風穴を開ける一歩になった。誰もが麻痺から回復できる日が来そうだと、確信が持てました。
私のブログの中の「私が読んで良かった本」の中の「リハビリテーションのためのニューロサイエンス」のBMIによるリハビリテーションに、詳しく書かれています。
2021・5・25NHKBSクローズアップ現代より
眼球使用困難症候群
ネットニュースを見た時、私も妻も私のことを知っているのではないかと思うくらい、症状が告示していて見入ってしまった。
光や音に過敏になり、テレビやパソコンなど人工の光は苦手で見られない。
アイマスクと耳栓を着けて過ごすなど。
原因がはっきりしない人も多いようだが、各種脳症の後遺症や神経薬物中毒なども挙げられている。正確な診断が困難で、有効な治療がないらしい。潜在的な患者を含めて、全国で30万~50万人いると推定されているが、視力・視野に問題がないため視覚障害の対象外になり、日常生活が困難なのに、福祉サービスなどを受けることが出来ない。
私は脳卒中発症1年位から、段々と気にならなくなったが、何年も苦しんでいる方が多くいらっしゃるようだ。
早く社会的に認識されて、治療が出来、苦しみから解放されるようになるのを願います。
2021・4・4池江璃花子さん東京五輪出場権獲得
2018年12月にアメリカの高地合宿中倦怠感があった。
2019年1月におかしいと思いながら、オーストラリア合宿へ。
そこでも倦怠感は収まらず、酷い頭痛が続き、2月になって現地の病院で診察を受けたところ「すぐに日本に帰って精密検査を受けた方がいい」と言われ帰国。白血病と診断されました。
アスリートは他人に弱みなど見せるのを嫌いますが、相当に苦しかったのだと察します。
入院、造血幹細胞移植を受けた。40度を越える発熱と激しい頭痛、気持ちが悪く多い時は1日5回以上もどした。「死んだ方がいい」と考えるほど追い込まれた闘病生活。
10ヶ月の入院で57kgあった体重は10kg以上なくなってしまった。トップアスリートとして積み上げてきた体力や筋肉はすっかり失われた。
2020年7月23日メインスタジアム国立競技場での五輪1年前イベントが実施され、池江璃花子さんが登場し東京五輪開催への希望を乗せたメッセージを世界に向け発信した。
上下白の衣装に身を包み、聖火が灯るランタンを持ちながらのメッセージを聞いて感動しました。
造血幹細胞移植は合併症の恐れもあり、一般的には検査や治療を長く続ける必要があります。退院後1年余りでトップアスリートの域まで回復するのは、極めて異例だそうです。
本人の努力は並大抵ではないと思いますが、サポートをした関係者も大変なバックアップをしたと思います。